shiyu

どうせ勝てない魔王

どうせ勝てないので、魔王は勇者を楽しませることにしました~第14娯楽~

異変 異変は、いつも静かに始まる。 それは雷鳴でもなければ、宣戦布告でもなかった。 ただの報告書の束だった。 だが、その重さは紙の量だけの話ではなかった。 目の前に積まれた書類の山を1枚ずつめくりながらポツリと言う。「……減っているな」 そ...
フラ壊

『クラス最底辺の俺、触れたヒロインの死亡フラグが見えるんだが助けたら世界が壊れそう』 ――助けたいだけなのに、選択肢が残酷すぎる~第19花 見つかる音~

朝の教室は、どこか落ち着かなかった。 いつもなら、机を叩く音や笑い声で満ちているはずなのに、今日は違う。 声が、小さい。 動きが、ぎこちない。 理由は、ひとつしかない。「今日らしいよ」「まじで?」「抜き打ちって言ってた」 持ち物検査。 誰が...
フラ壊

『クラス最底辺の俺、触れたヒロインの死亡フラグが見えるんだが助けたら世界が壊れそう』 ――助けたいだけなのに、選択肢が残酷すぎる~第18花 それでも、俺が決める~

夜の部屋は、静かすぎた。 冷蔵庫の低い唸り。 時計の針が刻む秒の音。 それ以外、何もない。 机の上に、ノートが開かれている。 黒い表紙。 何の変哲もない、ただの大学ノート。 なのに、これ一冊が、 俺の人生も、周りの人生も、壊しかねない。「…...
フラ壊

『クラス最底辺の俺、触れたヒロインの死亡フラグが見えるんだが助けたら世界が壊れそう』 ――助けたいだけなのに、選択肢が残酷すぎる~第17花 「問題が起きる前に」~

放課後の職員室は、昼間よりも静かだった。 コピー機の音。 キーボードを叩く音。 蛍光灯の微かな唸り。 その中で、ミモザはファイルを閉じ、ため息をひとつ落とした。「……やっぱり、気になるわね」 独り言のように呟く。 机の上には、数枚のプリント...
フラ壊

『クラス最底辺の俺、触れたヒロインの死亡フラグが見えるんだが助けたら世界が壊れそう』 ――助けたいだけなのに、選択肢が残酷すぎる~第16花 聞いてしまった~

廊下は、放課後になるとやけに音が響く。 誰かの笑い声。 部活の掛け声。 窓の外を走る風の音。 その全部が、今日はひどく遠く感じた。 スズランは、職員室の前で立ち止まっていた。 用事があったわけじゃない。 ただ、なんとなく、足が向いただけ。 ...