勇者は発情中~第八エロ 発見!兎獣族~

勇者は発情中

リンネーンの町からサイネ市までは3日の距離だった。

大した事件もなく(ちょっと目を離したスキにぷーれいがモンスターに犯されたことが3回あったことを除けば)、無事にサイネ市までたどり着いた。

「ほんと、なんとお礼を言ったらよいのか。」

ぷーれいが深々とお辞儀をする。

「いいっていいって。アンタが3回も犯されるのをアタイらは止められなかったんだから。」

手をひらひら振りながらもふともが言う。

「ぷーれいさん。本当にごめんなさい。」

もふともの言葉に反応した純純がぷーれいと同じくらい頭を下げる。

「とんでもないです!皆さんがいなかったら私、もっとモンスターに襲われていました。この都市にたどり着けていたかもわかりません。本当にありがとうございました!」

そう言い残して最後に助態の頬にキスをしてぷーれいは走り出した。

「さてと、私達はこれからどうする?」

くびちが助態の方を向きながら言う。

どうやら怒っているようだ。

「これだけ広い都市だと、兎獣族の情報とかもありそうだな。」

どぎまぎしながら助態が答える。

助態の言葉通り、サイネ市はかなり広い都市だった。

「この辺では最大の都市のはずよ。」

とアンアンが言う。

「と、とりあえず宿屋を探そうか?」

みんなの視線が痛い中、助態が提案する。

「あら♡」

アンアンが色っぽい声を出した。

アンアンが見たのは、その名もサキュバスのオ・ミ・セだった。

「私の仲間が経営しているお店だわ。勇者様、寄ってみませんか?」

アンアンが店の方に助態を引っ張るが、純純が反対した。

「寄りません!あんなハレンチなお店!」

「助態さんは行きたそうっすけどねー。」

ニヤニヤしながらぱいおが言う。

「助態さんのキングコブラが起き上がってますよ?」

ぱいおが助態の股間のテントを指さす。

「俺のはエクスカリハーだって!」

そう言うと助態は純純に殴られた。

サイネ市は助態が想像した以上に大きかった。

「さすがはこの辺りの交流の都市ね。」

くびちが言う通り、色んな施設があった。

サーカスに巨大迷路、オークションハウスに市場にカジノ。

しかしその分治安も悪いようだ。

いたるところで喧嘩が勃発し、人さらいなんて連中もいるらしい。

そういうわけで助態たちはこの都市では1人で出歩かないように注意した。

最低でも3人1組で行動するようにした。

「あそこはなんでしょう?」

純純が大きな真っ白い四角い建物を指さす。

「うぉ!」

建物にたどり着いて真っ先に声を上げたのは助態だ。

広いライブ会場の隣に隣接するこの建物はなんと、複合ショッピングモールだった。

異世界でショッピングモールをお目にかかれるとは思ってもみなかった。

「色んな服やアクセサリーが売ってるお店がたくさん入っているみたいね。」

驚きながらくびちが言う。

「食べ物屋さんもあるみたいですよ!」

純純は明らかにテンションが上がっていた。

しかし残念ながら今の助態たちにこの場所は用事がなかった。

「ここは、また別の機会にみんなで来よう。」

そう言ってその場を後にしようとしたその時――

「お集まりの皆さん!今日は兎獣族のラビットハウスが来てくれたよー!」

隣のライブ会場から聞こえたアナウンスに3人は足を止めた。

「ラビットハウス?」

「兎獣族って言いました!」

助態が首をひねると純純が興奮したように言う。

「隣のでっかい広場ね。」

そう言って助態・純純・くびちの3人は熱気に包まれるライブハウスに足を運んだ。

ライブ会場は熱気に包まれたままだった。

ライブ会場とは言っても全員が立ち見で席があるわけじゃない。

現世と大して変らない音楽文化に助態は大いにノった。

ヘドバンしたり拳を突き上げたり、跳んだり跳ねたり大声上げたり、知らない曲でも一緒に歌ったりした。

生きていた頃の助態は、ロックバンドが大好きだったのだ。

「いやー。バンギャの彼女と付き合ってた頃を思い出すなー。」

汗を腕で拭いながらニコニコして言うと、両隣の純純とくびちが唖然としていた。

「エロいこと以外でも生き生きとすることがあるのね。」

「勇者様のそんな楽しそうな顔、初めて見た気がします。」

2人とも思い思いの感想を述べた。

「まぁ、元いた世界ではこういうのよく行ってたから懐かしくてさ。」

ちょっと恥ずかしそうに助態が言う。

「へー。勇者様がいた世界ですかー。行ってみたいですね。」

「そんなことよりも兎獣族に会えるかしら?」

純純が羨ましそうに言った後にくびちが言う。

そう。ここで兎獣族と話が聞ければベスト。

しかし大抵はそう簡単に出会えるものではない。

「出待ちでもしてみるか。」

そう助態が言って、会場から少し離れた従業員やライブ関係者が出入りする出入り口の近くで待ってみた。

「こんなところで待ってて会えるのでしょうか?」

不安そうに純純が聞く。

「さぁな。出待ちなんて半分は運任せだから。ここの出入り口からさっきの兎獣族が移動しなければ会えずにおしまいだ。」

と助態が言った直後、運よくバンドメンバーが出てきた。

「へぇー。こんな裏技があるのねぇ。」

くびちが感心する。

「あの…」

助態が声をかける。

「まさかファンか?」

とんちんかんな応えが返って来る。

「いやファンじゃないんだけど。」

そう切り出して助態がラビットハウス5人組と話をした。

詳しい話を聞いた兎獣族の5人が助態たちの宿屋で宿泊していることは、街中の噂になった。

宿の周辺にはひっきりなしに人だかりが出来ている。

それでも動じないラビットハウスの5人はさすがプロと言わざるを得ない。

「毎日毎日顔見ては、ラビットハウスはどうしてるだの聞かれるこっちの身にもなれっての!」

もふともが怒りながらメンバーの1人をげんこつする。

げんこつされた兎獣族は、もふとものお尻を撫でていた。

「アンタも平然と人の尻を触ってるんじゃないよ!」

「いやー儂はあんたみたいな男っぽい女が好みなんじゃよー。」

おじさんみたいな言い方だが、助態と年齢は大して変らない。

「誰が男っぽいだ!」

もふともがもう一発かました。

「あなたすごいわね。」

くびちがもふともを驚愕の目で見る。

「そうだよもふとも!音楽のことはよく分からないけど、あんなに観客が入るバンドって意外と珍しいんだぞ?特にインディーズだとなぁ――」

熱弁しようとする助態をくびちが遮る。

「一応この人たちは大人気バンドよ?」

「ア…アンタは熱がすごいな…」

助態の熱の入りようにもふともが引く。更に続ける。

「ま、アタイは相手が誰とかあんま気にしないからね。って、だから尻を触るな!」

3度目のゴチンがあった。

「あっ!あのっ…」

やや遠慮気味にルブマが全員に声をかける。

「何だお嬢ちゃん?」

もふとものお尻を撫でまくってたメンバーが訊く。

「おっ!お嬢ちゃんって子供扱いしないでください!その、私たちは兎獣族の人を探していたんです。」

「どうして?」

ちょっとほんわかした感じに聞き返したのは、ラビットハウスのボーカルの女の子だ。

「あー、ウチらカローンに潜入したいんすよー。」

ぱいおが答える。

「カローン?」

ボーカルの子が聞き返す。

「えっと、ここからちょっと遠いんですけど、モンスターに襲われて滅んだ村です。そこにもしかしたらまだ人間がいるかもしれないんです。」

と純純。更に助態が続ける。

「兎獣族には気配を消す力があると聞いて。」

「なるほど…俺達の力を使えば潜入もしやすいというわけか。」

ギターの男が言う。利用されている形が気に食わないという言い方だ。

「えっと…お力を…貸してくれないでしょうか?」

お願いします!とルブマが頭を下げる。

ギターの男に向かって言ったのは、彼が最も反対しているような感じだったからだろう。

「べ…別に頭を下げろとは言ってない。」

そう言ってギターの男はルブマから顔を背ける。

「オレはいいぜ。断る理由もないしな。でもオレたちには仕事があるから別の仲間を紹介するって形になるけどそれでいいならな。」

オレと言っているけどれっきとした女だ。ベースを担当していた。

「私もいいわよ。」

ギターを担当していた小柄な女の子が片手を挙げて賛成してくれた。

こうして助態たちは、ラビットハウスのメンバーによって仲間を紹介してもらえることになった。

兎獣族の集落はサイネ市の近くにあった。

サイネ市は8方向を人間が住む街や村が取り囲み、正に付近一帯の中心の都市だった。

リンネーンの町もそれら取り囲む街や村の1つだった。

リンネーンはちょうど南西側に位置する。

サイネ市の北門を出てそのまま北方面に歩くと、雪山に囲われた一帯がある。

そこがウサギのカクレ里だった。

「なるほどね。辺り一帯が雪山に囲まれてたら人間にとっては用無しよね。」

納得したようにくびちが言う。

里には温泉もあり、藁の屋根が特徴的な家も点在していた。

長く滞在するつもりはなかったものの、やはり温泉は見過ごせない。

バンドメンバーが助態たちの仲間になってくれる者を探している間、温泉に浸かって待つことにした。

純純とルブマは申し訳ないからと、バンドメンバーに同行した。

しかし残念ながら助態は温泉には入れなかった。

混浴でもふともとぱいおが一緒に入ることを猛反対したためだ。

くびちとアンアンは一緒に入りたがった。

「あんな性欲の塊なんかと一緒に入ったら、確実に襲われるわっ。」

そんな文句を言う2人にもふともが猛抗議する。

「あら、私が性欲は吸い取るわよ?」

「いやいやいや。見られるだけでも無理っす。最近ただでさえ助態さんのウチの胸チラチラ見てるんすから。」

そう言いながら女だけだからと、メンバーで一番の巨乳をぱいおが持ち上げる。

「アンタはムチムチしてるからだろ?」

ジト目でもふともが言うと、ひがみっすか?とからかった。

「あなた達は子供ねぇ。女の体なんて男に見られなくなったら一気に劣化しちゃうわよ?」

もふともが自分の体を念入りにチェックしながら言う。

「あーでも確かに女だらけだと、部屋とかも汚くなるって言うっすよねー。」

ぱいおが自分の胸とくびちの胸を比較しながら言う。

「そうよ?むしろ私たちのパーティ―に助態がいることは大きなメリットなのよ?」

ことさら自分の胸を強調しながらくびちが言う。

胸の大きさではぱいおが上だが、形を見るとくびちの胸の方がきれいだった。

「ウチももう少し女磨いた方がいいっすかね?」

「何?アンタも助態狙いなわけ?」

驚いてもふともがざばっと湯舟から出る。

「いや、そうじゃないっすけど、あまりにも女捨ててたんで…くびちさんとかアンアンさん見てると恥ずかしくなってきて。」

「もふともさんはとりあえず、そのふさふさの毛をどうにかした方がいいわよ。」

アンアンが目の前のもふともの股間を見ながら言う。

「だぁーかぁーらぁー!アタイのは自然体なんだってばー!」

温泉の中でもふともの声がこだました。

外まで聞こえる声に助態は、はぁとため息をついた。

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