破綻寸前ギルドを追放冒険者のゴミ拾い能力が救います~第5ゴミ拾い 寂静村~

ゴミ拾い

 アドとイリがたどり着いた村は、メリダのギルドの中でも最も廃れた村だった。

 寂静村にあるダンジョンは、穏風のダンジョンだ。

 そして寂静村はアイギルドから最も近い都市だった。

「こんな近くに村があったんですね」

 イリもこの村の存在を知らなかったようだ。

「他のギルドの冒険者ですか?」

 村長らしき人物が言う。

「この村はメリダのギルドに所属しています。穏風のダンジョンに入りたいならば、私を通してください」

 どうやらこの村には、ダンジョン以外の魅力がないようだ。

 しかもそのダンジョンも初心者向けダンジョンのため、そこまで人気があるダンジョンというわけではなかった。

 アドは、あえてそのダンジョンに潜りたくさんのゴミをアイテムに変換していった。

 主な理由としては、初心者向けのダンジョンということで長く滞在しても問題がないこと。

 ほとんどの冒険者がいないので、のんびりとスキルを使えることだ。

「もう騙されたくないもんね」

 気にしてないような言い方をしているが、アドは騙されたことがかなりショックだったようだ。

 それも、自慢げに話していただけにかなり恥ずかしかった気持ちもある。

 加えて、イリから忠告されたのにそれを無視したもんだから、このことに関して何も文句が言えないでいる。

 こういった経緯もあり、他の冒険者がいない方が安心できるのだった。

 ●

 穏風のダンジョン――

 初心者向けのダンジョンとして有名だが、あまりにも簡単なダンジョンのためわざわざこのダンジョンに挑む冒険者は少ない。

 そんなダンジョンに長期間潜るたった1人の冒険者。

 いやでも村で有名になりつつあった。

 それもいい意味での有名ではなく、悪い意味でだ。

「もしかして死んじまったんじゃないのか?」

「大丈夫かい? お嬢ちゃん」

 村人にそう言われてるのは相棒のイリだ。

「え? あ。はい……」

 確かに今までと比べてかなり帰りが遅い。

 もちろんイリはそこまで心配はしていない。

 そもそも穏風のダンジョンよりも難易度の高い烈火のダンジョンを踏破しているアドだ。

 穏風のダンジョンで苦戦しているとは思えない。

「今回は便利なアイテムを使わずに、自分の力で踏破してみようと思うんだ」

 ダンジョンに挑む前のアドの言葉である。

 アドは、チートスキルによってダンジョンを踏破することは容易になっている。

 しかしそれは、あくまでも便利アイテムの力によるものである。

 アドは自分自身の力でダンジョンを攻略してみたいのだ。

「能力やスキル、それで得られるアイテムも自信の力ですよ?」

 というイリの言葉を鵜呑みにできないのは、あの3人組と一緒に烈火のダンジョンを攻略した時に先頭で全く役に立たなかったからだ。

 こうしてアドは、便利アイテムを使わずにダンジョンを踏破しようと試みて挑んでいるのであった。

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