その鵲は空の裏側を知る

その鵲は空の裏側を知る

その鵲は、空の裏側を知る~第6章 シラサギは、最初から知っていた~

――世界は、完璧ではない。 それどころか。 最初から、壊れかけている。 魔法学園《アヴィア》の医務室前。 白い扉の前で、シラサギは足を止めた。 この向こうで、カケルは眠っている。 第二層に到達し、いくつかの感覚を失い、それでもなお―― “観...
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その鵲は、空の裏側を知る~5章 観測段階・第二層 ――暴走~

異変は、朝から始まっていた。 魔法学園《アヴィア》の中庭。 いつもなら軽やかに跳ねる噴水の水が、空中で凍りついたように静止している。 水滴ひとつひとつが、重力を忘れたかのように宙に浮かび、陽光を歪に反射していた。「……止まってないか?」「結...
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その鵲は、空の裏側を知る~第4章 夜に現れるフクロウ~

深夜。 魔法学園《アヴィア》を包む静寂は、昼間のそれとは質が違っていた。 人の気配が完全に消え、建物も、大地も、空気さえも―― 世界そのものが、呼吸を止めているような感覚。 カケルは、ベッドの上で目を閉じたまま、眠れずにいた。 耳は、まだ鈍...
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その鵲は、空の裏側を知る~幕間 最弱の鳥、日常に迷い込む~

魔法学園《アヴィア》の学生寮は、想像していたよりもずっと素朴だった。 白い石造りの外観に、赤茶色の屋根。 中庭には小さな噴水と、よく手入れされた花壇があり、どこにでもある“学園の寮”という印象を受ける。「思ったより普通だよな」 スズメが、荷...
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その鵲は、空の裏側を知る~第3章 見る代償、失われるもの~

夜の魔法学園《アヴィア》は、昼とはまるで別の顔を持っていた。 学園を照らす魔法灯は必要最低限に抑えられ、広大な訓練場には、人の気配も魔力のざわめきもない。 あるのは、風が草を撫でる音だけ。 カケルは、訓練場の端に一人立っていた。 昼間なら生...