どうせ勝てない魔王

どうせ勝てない魔王

どうせ勝てないので、魔王は勇者を楽しませることにしました~第6娯楽~

勇者は足を止めていた。 ダンジョンが明らかに今までとは違う様子だからだ。 目の前には三本の通路。 一つは妙に整えられた石畳の道。 一つは壁に派手な装飾が施されたやけにうるさそうな道。 そしてもう一つは――照明も装飾もなく、何も起きそうにない...
どうせ勝てない魔王

どうせ勝てないので、魔王は勇者を楽しませることにしました~第5娯楽~

勇者は、帰らなかった。 正確には―― 帰ろうとしなかった。「……もう一周していい?」 ダンジョンの分岐点で、勇者は軽く問う。「構いません」 ヴァルドは深くお辞儀をした。「こちらは常時開放しております」「いいねぇ。気が利いてる」 剣を肩に担ぎ...
どうせ勝てない魔王

どうせ勝てないので、魔王は勇者を楽しませることにしました~第4娯楽~

玉座の間には4人の魔族が並んでいた。 四天王である。 本来であれば、恐怖の象徴。 だが今、その空気は重い。「魔王様」 最初に口を開いたのは、女魔族だった。「結論からお伺いしてもよろしいでしょうか。私たちは……解任、ということでしょうか?」 ...
どうせ勝てない魔王

どうせ勝てないので、魔王は勇者を楽しませることにしました~第3娯楽~

ダンジョン内部―― 俺は勇者と対峙していた。理由は明白である。 ――久しぶりに戦うつもりだからだ。「お、魔王本人?」 勇者は軽い調子で言った。 相変わらず余裕そうだな。 そもそもが、勇者を倒しさえすればこの苦難は超えられるんだ。「今日は直で...
どうせ勝てない魔王

どうせ勝てないので、魔王は勇者を楽しませることにしました~第2娯楽~

第一ダンジョンの入口は想像以上に静かだった。 本来なら、どこか不気味な雰囲気などの演出があるはずだ。 だが今、聞こえるのは――「お、スライムじゃん。久しぶり」 軽い声。 本来ならばありえないことなのだろうが、勇者は本当に暇つぶしで来ていた。...