異世界転生が想像してたのと違っていたんですが!~プロローグ~

異世界転生が想像してたのと違っていたんですが!

 もう嫌だ……

 何度思ったことか。死んでやるとか何十回も何百回も思った。

 でも、実際にはそんな勇気もないし、明日から頑張るとかそう思っても今日頑張らない人は明日も頑張らないんだよな…

 おとぎ話みたいに逆転勝利とか、どっかの物語みたいに異世界に転生したり――

 そんな都合のいいことばかり考えて今日もダラダラと過ごしていた。

 実際にはそんなこと絶対に起きるはずもないのに……

 でもここは居心地が良かった。ご飯は出てくるし、自分の好きな時間に起きて好きな時間に寝ればいいのだから……

ただ1つのことを除いて……

「ねぇアト? そろそろ学校に行ってみない?」

 これだ。母親のこの小言さえなければ完璧だ。

 そう。僕はいわゆる引きこもりだ。ニートや自宅警備員やプータローなどとも呼ばれている。

 別に僕が引きこもりになったのはいじめとか、フラれたからとかそんなんじゃない。理由なんてない。強いて言うならば『何となく』だ。

 一度学校をサボってしまったら、次の日から何となく行き辛くなってしまった。気が付けば半年以上学校に行っていない。

 高校生になれば青春がある! と信じ込んでいたのにそんなものもなく、日々ゲームやアニメに明け暮れる毎日となってしまった。

 別に中学時代からオタクだったわけでもないし、今もオタクと呼ぶにはあまりにも知識は浅い。ただ、好きなゲームをして好きなアニメを観ているだけ。むしろ中学時代は友達も多くてクラスの中心人物では無いにしろそれなりに楽しんでいたっけ? 高校に入学して半年、ここまで休んでしまっては新しい友達が出来る訳もない……

 言い訳するつもりはないけど、きっかけさえあれば学校に行くんだよ。

 今はただ、人生を少しだけ休んでいるだけ。ドロップアウトした訳でもない。

 明日からは頑張ろう……

 これが半年続いただけ。

 引きこもりと言ってもちゃんと外には出る。近所のコンビニにお菓子や飯を買いに行くために。

 とりあえずジュースとお菓子を買って、このゲームをクリアしてアニメを観終わってから学校のことは考えることにしよう。

 ――あぁこうやって物語の主人公たちは交通事故に遭って異世界へと転生するんだっけ?

 ん? 僕は? 僕も例に漏れず交通事故に遭いかけのところを助けて貰ったのさ。

 これから異世界でチート人生が始まる! しかもハーレム! そう思っていたのに……!

「なんじゃこりゃー!」

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