そこはだだっ広い広間のような場所だった。
ちあが目覚めた時周りには何もなく、石畳の上にちあは裸で拘束されていた。
真っ暗で灯かりと言えば蝋燭しかなかったはずなのに、なぜかそこの広間は明るかった。
『なんじゃここは? ……ちあは一体?……』
さすがの幼き天才も状況を理解するのに時間がかかった。
ちあが先ほどまで着ていたであろう洋服は無残にも破られ、トレードマークだった三角帽子もボロボロにされて部屋の片隅に捨てられていた。
ちあの首と両手両足に鎖に繋がれた輪っかが嵌められており、つまりはちあは体の自由が効かない状況に陥っていた。
『助態助けてくれ』
声を出そうにも口枷を咥えさせられており、言葉すらも発せられない。
自分のおかれている状況をやや把握したちは、恐怖でガタガタと体が震え出した。
そんなちあを見てか、かすかに笑う声がする。
「うーうー(誰じゃ)」
口枷のせいで思った通りの発音ができない。
それでも言葉が通じたらしい。
「可愛いし美しいよ。君が暴れれば暴れるほど、僕の性的興奮は高まっていく……」
姿は見えないがどこかでちあを見ている奴がいる。
ちあを拘束している両手両足は、そのまま背中方向へと引っ張っており、首は前方へと引っ張っている。
そのためちあは、自然と膝立ち状態でややエビ反りの恰好になってしまっている。
正面から見ればちあの大事な下半身は丸見えだろう。
『こんな屈辱……初めては助態じゃと決めておったのに……』
ちあが目の端に涙を浮かべる。
「いいねぇ。幼女が泣く姿はかなり興奮するよー」
暗がりから出てきたのは、小さな丸い体にコウモリのような羽を生やしたモンスターだった。
まともに戦えば余裕で勝てると思ってしまう。
「僕は非力だけど1つだけ力があるんだよ……」
ヒヒヒと笑いながらそのモンスターは、ニワトリのような足を動かしてちあに近づく。
しかし、このモンスターもその体ではそこまでちあに酷いことができるとは思えない。
確かにちあの恥ずかしい姿を見ることはできるが、それまでだ。
「僕は体を自由に組み替えることができてね、この通り」
そう言うとそのモンスターは、人間の大人の体つきに変身した。
要は変身できる力を持っているということだ。
「少し昔話をしようか……君に恐怖を与えるためにも」
ヒヒヒと再び笑ってそのモンスターは昔話しを始めた。
●
僕がまだ現世と呼ばれる世界に居た頃の話しだ。
僕は今と同じように君のような幼い女の子が大好きだった。
それも僕はどういうわけか人間でしか興奮できないようだ。
まぁ要は拗らせていたんだろうね。
幼い人間の女の子でしか興奮ができないモンスターなんて僕以外にいないだろうね……
誰からも理解されない存在。
その上その実力はひ弱ときたもんだ。
他のモンスターも幼い人間の女の子も僕なんか眼中にすらない。
その辺の虫と同じ扱いだ。
それでもね。僕はこの変身能力を使って幼い女の子を騙して悪戯をしていたんだ。
僕は同じモンスター仲間からも相手にされない存在だったから、人間に変身して人間社会にまぎれて生活をしていたんだ。
そんなある日、僕が住んでいた家の隣にある親子が引っ越してきたんだ。
どうやら母子家庭らしくてね。君くらいの小さな可愛い女の子と常に他の男に飢えている母親だったよ。
毎日のようにその子は午前中から家の外に追い出されて、夜遅くに家に入るのを許される感じだった。
その間母親は男を部屋に呼んで金でも稼いでいたのか。僕には興味もなかったから分からないけど。
それよりも重要なのは、幼女が朝から晩までその親に監視されることもなく放置されていることだよ。
「君、いつもそこにいるけどずっと何してるの?」
ある朝、僕はその幼女に声をかけた。
幼女は家の玄関の前で突っ立ったまま僕を見た。
「何もしないよ。ママが入っていいって言うまでここで空眺めたり虫さん見たりしてるだけ」
そう答えた幼女の目は死んでいた。
生気のない瞳とでもいうのかね。
ただ母親の言うことを聞いているだけに見えたね。
「それなら僕の部屋に来るかい?」
そう提案するだけで幼女は表情を全く変えず、無表情のまま僕の部屋に来たよ。
モンスターが人間に化けて住んでいる家だ。
当然人間が必要としているようなものなんて何一つない。
それでも僕には十分だったし、幼女には元々必要な物すら与えられていなかった。
部屋に招き入れるなり僕は優しく幼女の服を脱がした。
人間の年齢なんて分からないけれども、彼女は一般的に見て痩せているように思えた。
胸周辺の肋骨は浮き出ているし腕や足もガリガリだった。
それでも僕の目的は1つだから関係はなかったんだけど、その子は抵抗する様子も見せずに僕との行為を受け入れた。
鮮血が出ていないところを見ると、以前にもされたことがあるのだろうが僕には関係ない。
その日からその幼女とは毎日のように行為に及んだよ。
母親も途中から気づいていたと思う。
その幼女は日に日に窶れていった。
僕との行為で体力を使っているのもあるだろうけど、きっと母親に何も食べ物を食べさせて貰ってなかったんだろうな。
ある日からその子は夜になっても帰らなくなった。
「ママに帰ってくるなって言われた」
つまり捨てられたわけだ。
晴れて僕の所有物となった。
これからは毎日どんな時間でも好きなだけ犯せるってことだよ?
ウキウキしてたんだけどね、どうもこの子は最近いつも以上に元気がない。
母親に捨てられたからとかそういうわけじゃなく、たぶんご飯を食べていないからだろう。
僕はちょっとした気まぐれで幼女に何か食べ物を与えてみようと考えた。
世の中はちょうどクリスマスとかいう遠い国のイベントシーズンでな、街中でケーキを売っていたんだ。
僕はケーキを買い、それをその子に食べさせた。
するとどうだ。今までどんなことをされても無表情だったその子が初めて表情を変えた。
それは無邪気な笑顔だった。
当たり前のことだけど、もしもこの子が違う親の元に生まれてきていたら、こんな無邪気な笑顔が毎日見れていたのだろうな……
しかしこの子にとっては当たり前のことじゃない……
僕はそんなことを考えながらその子を犯し続けたよ……
何度も何度も。その子が動かなくなるまで。
「その子は死ぬ間際まできっと感じていたに違いない」
ずっと無表情だったはずなんい、そのモンスターは少女が喜んでいたように見えたようだ。
『歪んでおるの』
ちあは心の底から嫌悪した。
「君にもその快感を味わわせてあげるからね?」
モンスターの魔の手がちあに伸びる。
『助けてくれ! 助態!』
目を閉じてちあが願うと、部屋の扉が開いた。
「ちあ!」
ちあが心の底から願った人物が叫ぶ声がちあの耳に聞こえた。

