破綻寸前ギルドを追放冒険者のゴミ拾い能力が救います~第22ゴミ拾い 階層主の強さ~

ゴミ拾い

 アドはスキルリユースを使って新たなスキルを獲得していた。

 そのスキルは階層主ドンファと戦うのに適していた。

 スキル蝕み。

 対象モンスターの体や体内などを少しずつ蝕んでいく毒のような効果だ。

 解毒などがなく、毒よりも効果的ではある一方で侵攻速度は遅い。

 アドはこのスキルで、ドンファの皮膚を少しずつ蝕んでいく作戦を立てた。

「唾液との相乗効果が見込めますね」

 シャラがにこりと微笑む。

「蝕みの侵攻速度も思ったより早くて助かるね」

 アドも微笑み返す。

 新しいスキルを手に入れて、少し余裕が出てきたようだ。

 しかし敵は階層主。

 通常のモンスターよりも知能があり、耐久力がある。

 通常のモンスターであればすぐに効果がある蝕みも、ドンファには時間がかかる。

 その上ドンファは、こういった状態異常系の攻撃にある程度の耐性がある。

 そのため、アドの蝕みだけで倒すことや動きを封じることは不可能である。

 アドたちにとっては我慢の時間がやってきた。

 ●

 アドが蝕みをドンファにかけてからおよそ10分。

 その時を待つアドたちにとってはもっと長く感じていただろう。

「さすがに効きが悪いですね……」

 シャラが肩で息をしながら言う。

 何度もドンファの尻尾攻撃を避けているため、シャラの体力は限界に近かった。

 そんなシャラにドンファが狙いを定める。

 アドは、自分から注意が逸れたことを見逃さなかった。

 その瞬間、長剣で攻撃を仕掛ける。

「ギォォォォー!」

 しかし、ドンファの方が一歩上だった。

 ハウリングでアドとシャラの動きを封じる。

「しまった!」

 ドンファは相変わらず狙いをシャラに定めている。

 アドよりもシャラの方がドンファから距離があったため、シャラの方がアドよりも早く硬直が解けた。

「くっ!」

 間一髪ドンファの舌攻撃を避けるも、舌はムチのように連続でシャラを襲った。

「シャラ!」

 次いで硬直が解けたアドがドンファに向かって、長剣を振りかぶる。

『とった!』

 アドとシャラがそう思った――がしかし。

「ガキン」

 強化された皮膚は、そう簡単には切れない。

 そのままアドは、ドンファの尻尾を振り回す攻撃で吹き飛ばされた。

 一瞬アドの息が詰まる。

 酸素を求めて視界が暗くなる。

「アドくん!」

 シャラが悲鳴のような声を上げるが、そのすきを突いてドンファがシャラを長い舌で捉える。

「しまった!」

 舌についている唾液でシャラの皮膚が焼ける。

「こっちだ!」

 空気を肺に送り込んだアドがドンファに向かって叫ぶ。

 第2ラウンド開始だ。

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