破綻寸前ギルドを追放冒険者のゴミ拾い能力が救います~第25ゴミ拾い ザクロ襲来~

ゴミ拾い

 ドンファを倒したアドたちは、次の階層へは向かわずひとまず村へと戻った。

 理由は、疲労困憊だったことと、思いのほかダメージが多かったことだ。

 精神的にも身体的にも次に進むのは無理だと判断したのだ。

 さすがは階層主。

 そう簡単に倒せる相手ではなかったということだ。

 幸いにも穏風のダンジョン1階層には、こちらから攻撃を仕掛けないと攻撃を仕掛けてこないモンスターばかりだ。

「これが他のダンジョンだったら大変だったね」

 アドの言葉通り、通常のダンジョンであれば帰りにもモンスターに襲われる危険性がある。

「帰りのことも考えてダンジョンに挑まないといけないということですね」

 病室で2人の看病をしながらイリが言う。

 2人は怪我こそしているが、重傷というほどではなかった。

 念のために療養しているという程度だ。

 アイギルドとして、一番簡単なダンジョンの最初の階層主だとしても、それを倒したというのはいい知らせである。

 村にも活気が溢れる。

「たっ、大変です!」

 そこに水を差す報告がもたらされた。

 ●

 村人の1人が勢い良く病室のドアを開けて報告をした。

 見知らぬ軍勢が寂静村にやってきて、ギルド長を出せと言っている。と。

 急いでイリとアドとシャラが村の入り口へ向かった。

「キミたちがここで一番偉い人たち?」

 少女が甲高い声で話す。

「悪いけど、けいちゃんを取り戻すために死んでくれる?」

 そう少女が言うと、少女の背後から明らかに死体と思われる人間が複数人現れた。

「アドさん!」

「ちょっと待ってよ。なんで俺たちが死ななきゃいけないんだよ!」

 シャラが金切り声をあげ、アドが慌てて停戦を持ち掛ける。

「キミたちに事情を話しても解決することはできない!」

 ブン。と少女が片手を上から前に振り下ろすと、控えていた死体が動き出した。

 多勢に無勢。

 アドたちが勝てる道理はなかった。

 いくらどんな能力を持っていたとしてもだ。

「やっぱりボクの能力は最強だね」

 キャハハと甲高く笑った後、少女は一歩前へ踏み出した。

「待ちなさい!」

 アドとシャラの前にイリが立ちはだかり、死体に待ったをかけた。

「イリ?」

 アドが戸惑いの声をあげるが、イリは決意を固めた表情をしていた。

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