shiyu

それでも好き

それでも好き~第5恋 喪失と勘違い~

里美が学校を辞めてからの日々は、ただひたすらに部活に力を入れていた。 高山との接点が部活しかないからだ。 ゆりマネージャーのことはふっきれたというよりも、そこまで気にならなかった。 むしろ、里美を失った喪失感が大きかったのだと、後から気がつ...
どうせ勝てない魔王

どうせ勝てないので、魔王は勇者を楽しませることにしました~第22娯楽~

最初の違和感はあまりにも些細だった。「……ねえ、魔王様ってさ」 食堂の片隅で誰かがぽつりと呟いた。「……本当に、私たちの味方なのかな」 声は小さかった。 誰かを扇動するような強さはない。 ただの疑問。素朴な不安の言葉。 だが―― その言葉は...
どうせ勝てない魔王

どうせ勝てないので、魔王は勇者を楽しませることにしました~第21娯楽

最初に変わったのは、空気だった。 誰かが大声を出したわけでもない。 喧嘩が起きたわけでもない。 それでも、人々の声は以前より少しだけ小さくなっていた。「……最近、変じゃない?」「うん……なんとなく……」 言葉は曖昧で、理由もはっきりしない。...
どうせ勝てない魔王

どうせ勝てないので、魔王は勇者を楽しませることにしました~第20娯楽~

それは、最初は些細なことだった。「……また食糧庫の鍵が合わない?」「昨日までは普通に使えてたのに……」 管理を任されている女性が首をかしげる。 鍵穴が微妙に歪められている。だが、力任せに壊された形跡はない。 “偶然”にしては、出来すぎていた...
フラ壊

『クラス最底辺の俺、触れたヒロインの死亡フラグが見えるんだが助けたら世界が壊れそう』 ――助けたいだけなのに、選択肢が残酷すぎる~第25花 一頁だけ~

放課後の空気は、昼間よりもずっと重かった。 教室には、俺とダリアだけが残っている。 誰かの気配があるわけでもないのに、やけに周囲を意識してしまう。「……本当に、少しだけだぞ」 そう言うと、ダリアは小さく頷いた。「うん。わかってる」 声は落ち...