里美が学校を辞めてからの日々は、ただひたすらに部活に力を入れていた。
高山との接点が部活しかないからだ。
ゆりマネージャーのことはふっきれたというよりも、そこまで気にならなかった。
むしろ、里美を失った喪失感が大きかったのだと、後から気がついた。
俺は、自分で言うのもなんだが勉強はそこそこできて運動神経はいい。
見た目もそれなりに悪くなくいわゆるモテる部類の人間である。
その上、苦手なタイプの人とも普通に話せるコミュニケーション能力を持っており、今相手がどんな答えを求めているのかを察する力に長けていた。
里美は、そんな俺に合わせてくれていたタイプだった。
俺の好み、趣味を理解して話しを合わせてくれていた。
だから一緒にいて居心地が良かった。
そこにあぐらをかいていた。
失ってから気づいたが、里美はきっとかなり俺に気を使っていた。
嫌われないために。
なのに俺は、嫌われないために好かれるために何かをしたことはなかった。
●
夏休みが終わり、学校で1番大きなイベント、文化祭が始まる。
この頃の俺は、とにかく彼女が欲しいという気持ちしかなかった。
そこには、高山が好きという気持ちはありつつも、誰でもいいという気持ちの方が強かった。
いや。正確に言えばどうせ付き合うなら高山がいい。という考えだった。
そんな気持ちが見え透いているからだろう。
少しでも可愛いと思った子に告白をするも、
「私と付き合って何をしたいの?」
なんて返事がよく返ってきた。
”何を”ってなんだよ。付き合うは付き合うだろ?
というのが当時の俺の答えだった。
付き合うのがゴールだったのだ。
当時の俺は自分のルックスとかにあぐらをかき、それでいて女子がやや苦手で特に高山が近くに来るとすぐにどっかへ行く。
しかもその行為がかっこいいと思い込んでいた。
しかし、この連続告白という行為が周囲に知れ渡り、武藤はチャラいというイメージがクラスどころが学校中へと広まりつつあり、自然と俺の周りには女子が集まり出してきた。
これは、俺が自分はモテている。と勘違いするには十分のことだったのだが、このことがきっかけで、俺と高山の距離は急接近することになるのだった。

