shiyu

君だけが俺をユイと呼ぶ

君だけが俺をユイと呼ぶ~第8話 距離~

その後どうやって最寄り駅まで帰ったのかを覚えていない。 ただ電車で揺られている間、ずっと頭の中が真っ白になっていた。 何が正解だったんだ? 俺の受け答えは間違っていたのか? 何度も繰り返す自問自答。 答えなんて出るはずもないのに……「終点ー...
フラ壊

『クラス最底辺の俺、触れたヒロインの死亡フラグが見えるんだが助けたら世界が壊れそう』 ――助けたいだけなのに、選択肢が残酷すぎる~第37花 何も知らない未来~

スズランは、いつも通りだった。「ねえアスター、卒業したらどうする?」 放課後の廊下。 部活帰りの生徒が行き交う中で、彼女だけがやけに穏やかな声をしていた。「……急だな」「急じゃないよ。もうすぐ三年だし」 スズランは歩きながら、鞄の紐を両手で...
フラ壊

『クラス最底辺の俺、触れたヒロインの死亡フラグが見えるんだが助けたら世界が壊れそう』 ――助けたいだけなのに、選択肢が残酷すぎる~第36花 気づいてしまった名前~

ダリアは、ノートを見なかった。 正確に言えば―― 見なくても分かった、という顔をした。「そのページ、閉じるの早すぎ」 放課後の教室。 窓の外はオレンジ色に傾いているのに、彼女の声だけが妙に冷たい。「……何の話だよ」 俺はノートを机の端に押し...
それでも天使は、名前を呼ばれるまでそばにいた

それでも天使は、名前を呼ばれるまでそばにいた~第3呼称 ロボットじゃない~

「見ろよこの死神」 いかにもゴロツキと言わんばかりの大男が涎を垂らす。「見世物にするか? それとも邪魔者を消すか?」 鳥かごにネムを閉じ込めてもう1人がナイフを取り出す。「まずはアニキに相談だろ?」 奥から無精ひげを生やした男が顔を出す。「...
君だけが俺をユイと呼ぶ

君だけが俺をユイと呼ぶ~第7話 草原のキミ~

ここのところずっと思い出す。 少し昔のことを。 空気がキレイで、風が心地よくて、キミは何の疑いもなく私に言ったよね――「男は強いんだぜ!」 あの言葉があったから。 キミに助けられたから。 だから私は変われた。 ずっと好きでいられた―― 白石...