shiyu

フラ壊

『クラス最底辺の俺、触れたヒロインの死亡フラグが見えるんだが助けたら世界が壊れそう』 ――助けたいだけなのに、選択肢が残酷すぎる~第34花 彼が救おうとしているもの~

その日は、雨だった。 放課後の校舎は湿った匂いがして、 足音がやけに大きく響く。 スズランは、図書室の奥にいた。 人気のない席。 窓の外では、雨粒がガラスを叩いている。 目の前の机には、一冊のノート。 ――ダリアが、置いていったもの。「……...
フラ壊

『クラス最底辺の俺、触れたヒロインの死亡フラグが見えるんだが助けたら世界が壊れそう』 ――助けたいだけなのに、選択肢が残酷すぎる~第33花 最初の例~

場所は、旧校舎の資料室だった。 普段は使われていないせいで、 埃っぽくて、空気が少し重い。「ここ、好きなんだよね」 ダリアはそう言いながら、窓際の机に腰をかけた。「人来ないし、声も響かない」 スズランは、ドアの近くに立ったままだった。「……...
フラ壊

『クラス最底辺の俺、触れたヒロインの死亡フラグが見えるんだが助けたら世界が壊れそう』 ――助けたいだけなのに、選択肢が残酷すぎる~第32花 じゃあ、教えてあげよっか?~

校舎裏は、夕方になると静かになる。 部活の声は遠く、 木々の影が地面に長く伸びている。 スズランは、ベンチに座っていた。 帰るつもりだった。 でも、足が動かなかった。 アスターの言葉が、まだ耳に残っている。――関わるな。――来るな。 分かっ...
どうせ勝てない魔王

どうせ勝てないので、魔王は勇者を楽しませることにしました~エピローグ それでも城は建つ~

城は、同じ場所には建てられなかった。瓦礫はすべて撤去され、あの場所は「危険思想発生地点」として、立ち入りを禁じられた。だから城は、少し離れた丘の上に建てられた。名前も変えられた。魔王城ではない。勇者とも、魔族とも、関係のない名前。誰が決めた...
どうせ勝てない魔王

どうせ勝てないので、魔王は勇者を楽しませることにしました~第30娯楽~

魔王城は、静かだった。崩れたわけではない。燃えたわけでもない。ただ――主を失った建物のように、呼吸を止めていた。玉座の間に、玉座はない。魔王が座る場所だったそこは、最初から何もなかったかのように、空白だけが残っている。城の外。広場に仮設され...