shiyu

フラ壊

『クラス最底辺の俺、触れたヒロインの死亡フラグが見えるんだが助けたら世界が壊れそう』 ――助けたいだけなのに、選択肢が残酷すぎる~第30花 それ、普通じゃない~

放課後の中庭は、思ったより人が少なかった。 部活に向かう生徒たちは校舎の裏へ流れていき、 残るのは、帰りそびれた数人だけ。 スズランは、花壇の縁に座っているダリアを見つけた。 制服のスカートを気にも留めず、 スマホを眺めながら、暇そうに足を...
フラ壊

『クラス最底辺の俺、触れたヒロインの死亡フラグが見えるんだが助けたら世界が壊れそう』 ――助けたいだけなのに、選択肢が残酷すぎる~第29花 気づいてるよ~

放課後の廊下は、静かだった。 窓の外から部活の掛け声が遠く聞こえるだけで、 校舎の中は、まるで時間が止まったみたいに静まり返っている。 アスターは、階段の踊り場で足を止めた。「ねえ」 背後から、よく知った声がする。 振り返らなくても分かる。...
フラ壊

『クラス最底辺の俺、触れたヒロインの死亡フラグが見えるんだが助けたら世界が壊れそう』 ――助けたいだけなのに、選択肢が残酷すぎる~第28花 触れないで、聞く~

放課後の教室は、昼とは別の顔をしている。 机の影が長く伸び、窓の外はオレンジ色に染まっていた。 部活に行く生徒の足音が、廊下の向こうで遠ざかっていく。 アスターは、いつものように席に残っていた。 ノートを開いている。 鉛筆を走らせ、書いては...
どうせ勝てない魔王

どうせ勝てないので、魔王は勇者を楽しませることにしました~第27娯楽~

第27娯楽:その怪我は、誰のせいか 悲鳴が上がったのは、朝だった。 魔王城の中庭。 洗濯物が風に揺れ、いつも通りの一日が始まるはずだった時間。「――誰か! 来て!」 駆けつけた時、 石畳の上に倒れていたのは、少年だった。 名はユル。 魔王城...
どうせ勝てない魔王

どうせ勝てないので、魔王は勇者を楽しませることにしました~第26娯楽~

朝の魔王城は、いつもより静かだった。 誰もが起きているのに、 誰もが話していない。 廊下ですれ違えば、挨拶はある。 だが、言葉は短く、目は合わない。 ――昨日までは、違った。 魔王城は、 逃げてきた者たちが、ようやく肩の力を抜ける場所だった...