高山に彼氏ができてからの日々は、その喪失感を佐藤で埋め合わせていた。
しかし終わりはあっけなかった。
「ごめん。武藤くんとは恋人じゃなくて友達としている方がいいみたい」
唯一俺を支えていた、彼女という存在がなくなった。
これまで熱心に打ち込んでいた部活も、3年になるとあっさりと終わりを迎えた。
恋愛も部活も全て、終わる時はこうまでもあっけなかった。
俺は、虚しさを埋めるために新しい恋人を探した。
誰でもいい。どんな人でもいい。とにかく彼女がいるだけで自分を保てる。
「なんだかロボットみたい」
「武藤と付き合うの疲れるよ」
真剣に付き合うということと向き合わなかった俺は、別れる度に他の彼女を作りまたフラれては他の彼女を作るということを繰り返していた。
この頃の自分はもう、高山のことなど頭にはなかった。
受験なんて身に入るわけもなく、大学入試はことごとく失敗し、入りたくもない学力の低い大学に合格して、適当にそこに入学すると親に告げた。
卒業式の日、みんなは最後の告白やら別れを惜しんだり涙があちこちに溢れていた。
俺は別の高校に通う彼女に連絡をしていた。
「また彼女?」
高山だ。
ここのところずっと話していなかった。
「最近むっちんの評判悪いよ?」
「彼女をとっかえひっかえってか?」
「むっちんの本当に好きな人は他にいるんじゃないの?」
「どうだろうな」
「ホント。素直じゃないんだから……」
高山は寂しそうな横顔を俺に見せる。
そういえば、高山とは結局連絡先を交換していなかったな。
「私、もうとっくに別れたから。むっちん。大学でも頑張ってね」
え? 一生のお別れみたいな言い方じゃない?
高山の目に涙が……
遠くで俺のことを呼ぶ声がする。
別の方からは高山を呼ぶ声が。
「……じゃあね……」
あぁ――
これで終わったんだ……
俺の大きな初恋は――
