勇者は発情中~第三十一エロ 序列モンスター~

勇者は発情中

人食いを倒した助態たちは、進路を戻して船の墓場を目指すことにした。

理由は、そっちしか道がないから。

ガイラの町の南側に進路を取る案も出たが、そっち方面はティーパンやいーげはもちろんのこと、ガイラの町の住人もよく使う道だ。

そっち方面に箱の庭園があるという話を聞いたことがなかったからだ。

つまり、誰も通らない船の墓場の先にある可能性が高いという結論に至ったわけだ。

残念ながらいーげも箱の庭園については知らないということだが、このパーティーに興味があるということで途中まで同行することになった。

いーげは見た目も性別も男だが、自分は男好きで女みたな話し方をするのは趣味だと言う。

そして助態のことがタイプだと告白をしたことで、誰からも望まれないパーティーメンバーとなった。

いや、1人だけいーげが仲間に加わって喜んでいる人物がいた。

「うへうへうへへー。いーげさんもっと助態さんにくっついてくださいよぉー。」

じゅるりとよだれを手で拭きながらぱいおが喜ぶ。

「あんらぁ~?アナタもそっち系なのかしら~?」

助態の腕を取りながらいーげが投げキッスをする。

「いーげさんのそっち系がどれか分かりませんけど、ウチはいーげさんと助態さんの絡みが見たいっす!」

ぱいおがフンッ。と鼻息荒く言う。

「何をバカなこと言ってるのよ。」

ビシリとぱいおの頭上をくびちがチョップした。

「何するんすかーくびちさんー。」

涙を目の端に浮かべてぱいおが頭をさする。

「言っておくけど、助態は私の旦那だからね?」

「あんらぁ~?そうだったのぉ~?それはごめんなさいねぇん。あちき、寝取るのとかも好きよぉ~ん。」

「ふぉぉぉぉぉー!マジっすか!いーげさん!ささっ。今すぐ助態さんを寝取ってください!」

いーげの言葉にぱいおが興奮する。

ちあは何を言っているのか分からず、隣で座っているルブマに、寝取るって何じゃ?と聞いていた。聞かれたルブマは相変わらずの苦笑いだ。

「いつ俺の妻になったんだよ。」

助態が突っ込むが、いーげがいーじゃないのよぉーう。と言って助態の言葉を無視した。

「あなた達はいつもいつも!ちょっとは緊張感を持ちなさい!」

アンアンが怒った。

お母さんみたいっすー。というぱいおの声が草原に響いた。

船の墓場へ向かう道は草原のため見晴らしがある程度はいい。

しかし、草原とはその名の通り草で覆われている。

草にモンスターが隠れることはよくある。

今もサバンナアーマーと呼ばれる動く鎧と戦っている。

危険度はCとそこそこの強さだが、厄介なのは迷彩柄のため草に隠れられる点だ。

得意の剣術で今もティーパンが押されている。

「そう言えば、この世界って剣で戦う人あんまり見ないな…」

ティーパンが大刀でサバンナアーマーを叩き壊したのを見て、助態が呟く。

「当たり前なのじゃ。剣は重くてモンスターと戦うのに上手に扱えないじゃろ?だから旅をする人が見に付けるのは魔法なのじゃ。」

偉そうに無い胸をちあが張る。

『そういうことか…よく見る剣を振り回したり、バク転とかぴょんぴょん飛び回って攻撃を避けるとかって結局作り物で現実じゃないんだな…』

だからいつもティーパンは大刀で切っているのではなく、叩き潰していたのだ。

言われてみれば、みんなが使っている武器もせいぜい短剣くらいだ。

助態も(鉄爆が壊れたため)相変わらず木の棒だし。

「じゃから自然とちあが最強ということになるのじゃ。」

またまた無い胸を張る。

「ちょっとぉ~ん。そっちが終わったならこっちも手伝ってよぉ~ん。」

やや離れたところでいーげが言う。

いーげとぱいおとルブマは今、ハイエナエース3匹と戦っている。

どうやらあの知能が高い個体種のようで、とにかく倒すことを大前提にしていた。

とはいえ助態とちあは目の前の大きなムカデ――草ムカデ――と戦っている。

群れで行動をする上に危険度はA。

サバンナアーマーを倒したティーパンは、迷彩スライムと戦っているくびちとアンアンともふともと純純の元へ向かう。

迷彩スライムは危険度こそDランクだが、スライム種特有の打撃無効特性を持ち、口から酸性の液体を吐き出す。

更に、自身の色を自在に変化させることができる厄介なモンスターだ。

そういうわけで、今すぐいーげの元に向かえる者が誰もいなかった。

いや、1人いるにはいたが果たして助けになるかどうか…

やや遠くから、聞き覚えのあるその者の声が聞こえてきた。

「たぁーすけてぇー!」

相変わらずぶららはモンスターに追われていた。

「あれは!」

ぶららが追われているモンスターを見たティーパンが鋭い声を上げる。

「まずいわよぉ~ぅ!」

その声に顔を上げたいーげもぎょっとする。

「逃げるのじゃ助態!」

熟練であろう3人が逃げの一手を講じたことで、他のメンバーも今の戦いを何とか切り上げることにする。

しかしモンスターにそんな都合は通用しない。

「破滅の時は来た。火を呼べ水を呼べ光を呼べ」

ティーパンが双頭蛇を召喚して迷彩スライムを吹き飛ばす。

「創生の炎、神聖なる水、爆ぜて混ざり合え!ことごとく灰に帰す!暗黒之炎(ダークフレア)!」

ちあも目の前の草ムカデ数匹をまとめて焼き尽くした。

素早くもふともが1匹のハイエナエースに短剣を投げつけ、その隙にいーげ、ぱいお、ルブマが脱出した。

ぶららを追っているモンスターは真っ黒のローブに身を包んでいて姿は分からなかった。ただ、走って追うというよりも滑っているような感じがした。

「あれは序列モンスターじゃ!」

「序列モンスター?」

「魔王に忠誠を誓うモンスターの中でも過激派じゃ!組織で行動しておって、戦った敵の情報を組織内に共有する力を持っておるらしい。」

ちあが助態におんぶされる恰好で、後ろを仰ぎながら言う。

「何だってそんなモンスターがここに?」

喘ぎ喘ぎ助態が言うと、助態の上でちあが首を振るのが分かった。

「とにかく戦っても得はないモンスターじゃ。逃げた方が得策じゃ。」

立地的に序列モンスターに追われているぶららに一番近いのが、ハイエナエースと戦っていた3人。次にティーパンたち、そして一番遠いのが助態とちあだった。

しかし、モンスターに追われているぶららは逃げる時は物凄い足が速い。

すぐに助態の隣に追いつくと、

「久しぶりだね助態!ここで会えたのも運命かな?」

と言って助態の少し前で道着からめくれる純白のパンツを助態に見せつけた。

「どう?興奮するかい?」

緊張感がないのは相変わらずのようだ。

ちあがぶららをじっと睨む。

「なぁ~によぅ!助態はあちきのものよぉ~ぅ!」

くわっとなぜかいーげもぶららの隣に現れたから恐ろしい。

「何を言ってるんだい?キミは男だろ?ボクは女。だから助態はボクのものだよ?」

「ちあの助態なのじゃ!」

2人の会話にちあが参戦し、無理やり助態の頬にキスをした。

「「「あ!」」」

後方から純純、くびち、ルブマの声が聞こえる。

「キミはお子様だから助態とは釣り合わないよ?」

ふふん。とたいしてちあと変らない胸を張る。

「なんじゃ。キサマもちあと同じではないか。子供のくせに。」

べーっとちあが舌を出す。

「なにお!助態は子供が好きな変態だぞ!」

「それならちあの方が子供なのじゃ!」

「ボクはまだ毛だって生えてないんだぞ!」

「ちあもツルツルじゃ!ちあの方が子供だからちあの勝ちなのじゃ!」

「甘いな。キミは本物の子供だから犯罪になるけど、僕やルブマは合法ロリだから犯罪にならないんだよ。ね?助態?」

「え?いや。そりゃ俺はロリコンだけど、胸がないのはちょっとなー。」

「「なにお!」」

助態はちあとぶららの2人に怒られた。

「あちきの1人勝ちね~ん。」

ちあとぶららを見ていーげが勝ち誇ったように言う。

「おかまはもっと勘弁してくれ。」

助態がうなだれて言うと、いーげまでもが怒る。

「んまっ!失礼しちゃうわっ!」

そして、ちあ、ぶらら、いーげは後から来たティーパンによってこっぴどく怒られたのだった。

結局、序列モンスターからはちあの目隠し魔法で隠れて逃げ切った。

(「混沌に飲み込まれよ!霧与出炉(フォグメイク)」)

霧による目隠しで、序列モンスター――魔参謀――とハイエナエースをまいた。

「さっきの話だけど、ちょっとズレがあるわ。」

ティーパンが、ほうっ。と息をついてから言う。

草むらに座って目を閉じているのは魔力を回復させるためだろう。

「序列モンスターのトップはイビルジェネラルっていうモンスターなんだけど、古の大戦の時に魔王と同列扱いだったと言われているわ。だから魔王に忠誠を誓っているというよりも、古王に忠誠を誓っている方が正しいと思う。」

「古王に忠誠って、もういないんですよね?」

うろたえながら助態が聞くと、えぇ。とティーパンは頷いた。

「それでも、今だに忠誠を誓っているという点が厄介な点だと思うよ。」

と、更に続けた。

「さっきのは魔参謀ねぇ。さしずめ隊士ってところかしらねん。」

ティーパンの言葉を引き取っていーげが言うと、ちあもそれに同意する。

「遭遇したのがただの隊士で助かったのじゃ。あれが組長レベルだったら逃げれたか分からんかったのじゃ。」

「序列モンスターってのはそんなに厄介な存在なのかい?」

もふともが訊ねる。

「そうねぇ。ちあちゃんが言ったように全員が情報を共有するってところが厄介かしらねん。それとしっかりと組織で動いているから連携を取ってくるのよん。」

いーげがあごひげを撫でながらそれに答えた。

「隊士ってことは末端なのかしら?」

くびちは階級について聞きたいようだ。

「そうじゃ。末端が単独で行動しておったから逃げ切れただけじゃ。本当なら組副長かそれ以上の階級の者が指示を出しておるはずじゃ。」

「組副長?」

助態が聞き慣れない言葉に首を捻る。

すると、ちあは仕方ないのう。と首を左右に降った。

「いいかの?序列モンスターというのは階級ごとに分かれておるのじゃ。」

いかにも得意そうな顔だ。

誰かに説明するのが嬉しいのだろう。

「あぁ。そこまではさっき聞いたよ。」

「黙って聞くのじゃ。」

途中で口を挟んだ助態は、ちあに厳しく怒られた。

「それでじゃ、一番下の階級が隊士という階級なのじゃ。その上に組副長、さらに組長、副隊長、隊長、副長、局長、筆頭局長、総長、総本部長となっておる。」

ゴホン。と軽く咳払いをしてから再びちあが嬉しそうに解説をする。

「まぁ他にも参謀とかおるがそこははぶこう。でじゃ、総本部長は当然イビルジェネラル1匹なのじゃが、他の階級には複数のモンスターがおる。」

つまり、同列階級が何匹かいるということだ。

「さらに、副長の下の隊長からは細かく分類されておってな、一番隊から五番隊まであるのじゃ。組も一組から五組まである。」

「新選組みたいな感じか…」

ぽつりと助態が言うが、それを無視してぱいおが口を挟む。

「1つの村とかの役場レベルに組織がしっかりしてるってことっすか?」

たかがモンスターなのに!と最後に付け足している。

「恐らくだけど、その序列モンスターたちを引き連れてきたのは、あの知能が高い個体種のハイエナエースだね。序列モンスターが登場したってことは王の口が関与してることで間違いないだろうね。」

ティーパンがやや悔しそうに言う。

いーげが、王の口?何のこと?と聞いてきたので、簡単に今までのことを説明する。

「なるほどなのじゃ…助態たちが王の口の手先と戦っている可能性があるわけじゃな?それなら序列モンスターが出てくるのも頷けるのじゃ。もしかしたら個体種のハイエナエースも隊士に加わったのかもしれないのう。」

話を聞いていたちあが納得し、いーげもそうね。と頷くが助態にはよく分からなかった。

「ちょっと待って。何で王の口がここで出てくるんだ?ティーパンさんは前に王の口がモンスターに知識を与えている可能性が高いとは言っていましたけど、他の可能性もあるって言ってましたよね?」

助態がティーパンの方を見ると、ティーパンはまだ目を閉じたまま頷いた。

「そうだね。君は本当に何も知らないんだね。何も知らない勇者か…ほんと面白いな君たちは。」

ふふ。と笑った後でティーパンが解説を始める。

「さっき言ったけど、序列モンスターのトップはイビルジェネラルだ。そして魔王と同列でもある。で、魔王とかイビルジェネラルとかって王の位を与えられた王位モンスターって種類に分類されるんだ。もちろん王の口も王位モンスター。王位モンスターは簡単に言えば古王の一番の手下たちのこと。な?わかるだろ?王の口が個体種のハイエナエースから何らかの情報を得て、それをイビルジェネラルに伝えたことで序列モンスターが動き出した可能性が高いってことが。」

「えぇっと、つまり知能の高い個体種と序列モンスターとでは、トップが違うってことなの?」

「ま、簡単に言えばそうだね。で、そのトップが連携してきたってことさ。」

こいつは厄介だな。とティーパンが呟いた。

この時点でティーパンの頭の中には、レジェンドドラゴンサモナーを仲間に引き入れる必要があることが過っていた。

「ちなみに、船の墓場は序列モンスターの温床よん。」

人差し指を立てて、ウインクをしながらいーげが言う。

つまり、船の墓場を通るということは序列モンスターに宣戦布告をするようなもの。

「これから本腰を入れてイビルジェネラルと戦うことを意味するのう。ちあはまだそれは早すぎると思っとる。このメンバーでは到底勝てないじゃろう。」

「ちょっとぉー。あちきは仲間に入れないでちょーだい。アナタ達に興味があったから近くまで同行するだけよん。序列モンスターとか魔王とか王の口とかとは戦わないわよーん?あちきにも生活ってものがあるんだから。」

最後にウインクをする。

「えぇ!ずっと居てくれないんすか?ショックっすー。」

ぱいおが本気で残念がる。

ま、また近くまで来たら声をかけなさいな。

と慰められている。

「ちあは、ガイラを南か北に進路を取ることを提案するのじゃ。」

「さっきも言ったけどぉー。ガイラには森を通るか船の墓場を通る道しかないのよぉーう。」

オバカさんね。とちあのおでこを軽く小突く。

「変態菌が移るから触るでない。」

手でおでこを拭いて、それを助態にくっつけて更に拭いた。

「俺で拭くなよ。」

「失礼ねぃ!移らないわよぅ!ていっ。」

助態の虚しいツッコミは無視され、いーげがちあのおでこを何度も小突いた。

「ぎゃー!変態菌がー!助態すまぬのじゃ。ちあは汚されてしもうた。ちあが変態になっても好いていてくれるかの?」

「助態さんはケダモノのど変態っすから、ちあさんが変態になった方が喜ばれるっすよ。」

ぱいおがフォローにならないフォローをする。

助態が言い返そうとすると、ティーパンが会話に入ってきた。

「とにかく!これからどうするかを決めようか。」

ジロリとティーパンに睨まれては、誰も逆らえなかった。

ティーパンが示した、これからの方針は4つあった。

1つ、このまま船の墓場を通る。

2つ、ガイラの町まで戻って更に森まで戻り、森を北進もしくは南進して未踏のルートを進む。

3つ、更にフォレストの村まで戻って、そこから南か北にルートを通る。

4つ、サイネ市まで戻りサイネ市西方のタキューの村を目指す。

この中からどれかの案を採用するというわけだ。

いーげは、1つ目の船の墓場を通る以外の選択肢なら付いてくると言う。

自由人のぶららはどこでも暫くお供をすると言う。

箱の庭園の情報はガイラの町の更に東なので、そこへ向かうならばタキューの村を目指す案は後回しということになる。

「俺の個人的な考えですけど、箱の庭園は最優先事項だと思っています。タキュー近くのモンスターに襲われてるっぽい村には申し訳ないですけど、あの吸収スライムを倒せないと意味ないと思うので。」

助態が自分なりの意見を述べると、ん。そだね。とティーパンもそれを肯定した。

「となると、このまま船の墓場を通るルートが一番最短ってことになるわね。」

アンアンが船の墓場の方向を見ながら言う。

「序列モンスターを倒すのは無理じゃ。ガイラかフォレストから別の道を進む方がいいじゃろ。」

「なら最短ルートは、ガイラ手前の森を北か南に取るルートじゃないっすか?」

ちあの言葉を受けてぱいおが述べる。

「人食いがいた先は行き止まりと言ってたよね?」

ティーパンがいーげに聞く。

ガイラの町を少し東に進み、助態たちは途中を北に道を変えた。そこで人食いと遭遇した。

いーげの話だと、その先は行き止まりだということだ。

「えぇそうよん。とっても高い崖になってるのよん。崖の上はたぶん森を北東へ向かえば着くと思うけど、誰も使ったことない道だからその先に人間の住んでいる町とかgあるかは分からないわよ?」

現状分かっていることでの最短のルートは森を南東に取るルートか北東に取るルートということになる。そのまま船の墓場を迂回できればベストだ。

しかし――

「森を南に進むルートも北に進むルートも未踏の地よん。」

といーげが言う。

北側は高い崖があり、その崖の上には木々や草が生い茂っているためとても人が住めそうな環境もなければ、通れそうな道もない。そのためその先に誰も進んだことがない。

南側はどんどん森が深くなっていき、見通しが悪いために誰も通ったことがない。

つまり、ガイラの町よりも先には、何があるか全く分からない未知の土地ということだ。

まるで世界がガイラの町までで区切られているかのように。

「勇者、君が決めなよ。」

ぽん。とティーパンが助態の肩に手を置く。

「そうね。助態が決めたことなら私にも異論はないわ。」

助態の隣でくびちが頷く。

「私達淫魔族は勇者様と共に。」

更に隣でアンアンが微笑む。

「いーげさんが一緒に来てくれるのが条件っす!」

ふんっ。と鼻息を荒くするのはぱいおだ。その隣でいーげは、えぇ~?序列モンスターと戦うのは嫌よぉ~?と言っている。

「ボクは自由気ままに行きたいからここより先は遠慮しておくよ。」

と、ここでぶららが離脱することを宣言するといーげも、あちきも勘弁よ~。と離脱することを宣言。

「ま。ウチは付いて行くっすよ。」

渋々ぱいおはいーげが居なくなることを承諾した。

「ちあはずっと助態と一緒にいるのじゃ!」

ひしっとちあが助態の背中に飛び乗った。

「カローンを救ってもらった恩があるので、私も一緒に行きます。」

ルブマも頷く。

「ま。じっとしてても暇だしな。」

頭の後ろを照れ臭そうに掻きながらもふともも一緒に来ることを宣言。

最後に助態が純純を見た。

「勇者様が決めてくださったことなら、私はどんなことでも受け入れますよ。」

にこりと微笑む。

ドキンッと助態の心臓が跳ねる。

久しぶりの感覚だ。

「そうだな…」

照れるのを隠すように助態が純純から目を反らす。

その反動で、助態の背中に引っ付いていたちあが落ちる。

夕日が助態の頬を染めるが、頬が赤いのはそのせいだけじゃないだろう。

「行くか!未踏の地!」

助態が全員を振り返る。

くびちが、もふともが、ルブマが、ぱいおが、アンアンが、ティーパンが、ちあが、そして純純が助態を見て微笑む。

助態たちの、未踏の地への冒険が始まった。

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